2023年7月「未来のリーダー教室 導入編」が神奈川県立相模原中等教育学校で実施されました

日産財団「未来のリーダー教室 導入編」が、2023(令和5)年7月15日(土)神奈川県立相模原中等教育学校(相模原市南区)で実施されました。今回は、複数の学校から生徒たちが受講し、ほぼ初対面の受講生たちどうしが、ふだん学校であまり話すことのない「リーダーシップ」をめぐる考えを交わしあいました。

他校どうしの受講者たちが意見や価値観を交わす

「導入編」は、受講者のみなさんに「未来のリーダー教室」のコンセプトを理解し、リーダーシップなどに興味を抱いていただくためのプログラム。2023(令和5)年6月・7月に静岡雙葉中学校・高等学校(静岡市葵区)で実施されて以来、2回目の実施となります。

今回の受講者は、会場となった相模原中等教育学校はもちろん、神奈川県内や東京都内などの複数の学校からの高校生・中学生たち19名です。企画していただいた相模原中等教育学校の高原隆先生の他校への声がけなどで、学校をこえた「クロススクール」での導入編が実現しました。

ファシリテーターを担ったのは、静岡雙葉中学校・高等学校の木村剛先生です。受講生の所属校でない学校の先生がファシリテーターをつとめることで、受講生たちの「外の人たちとコミュニケーションをはかる」経験をさらに積んでもらうことになりました。


受講者たちと木村先生


「会話なし」で誕生日順を理解しあい、席順を決めていく

受講者たちは、「未来のリーダー教室」のコンセプト「ぐるぐるシンキング」の紹介を受けたあと、「リーダーシップ」「未来を見通す」「アート思考」「SF思考」の4テーマに臨みました。各テーマを担当するマスター講師のビデオ講義を視聴し、各テーマにちなんだワークにおなじテーブルの受講生たちとともに取り組んでいきます。


「ぐるぐるシンキング」の説明を聴く


「リーダーシップ」のビデオ講義を視聴

はじめて会った受講者どうしが、自分の意見を出し、他の受講者の意見を受け、刺激しあいます。自己紹介のとき示した「推し」は10年後どうなっているかというテーマのディスカッションに「AI(人工知能)が入ってきて、おなじジャンルのアニメ作品がたくさん出てくると思うけれど、変化はないと思う」という受講生に対して、「変化は出てくると思う。でも新しいジャンルをつくることはAIではきっとできない」と応じる受講者も。

「未来を見通す」のワークで意見を交わしあう受講生たち

また、「既成概念の破壊と再構築」を意識して取り組んだアート作品づくりでは、多様な思考と表現方法が見られました。


「アート思考」でつくった作品を鑑賞しあう

途中、木村先生が「席替え」を提案しました。これにより、さらに初対面どうしの生徒たちの交流が生まれていきました。


休憩中も他校の生徒どうしで自然と対話が

テーブルのメンバーどうしでの発表のほか、すべての受講者たちに向けて発表する機会もあり、みんなが一人の発表に関心を寄せて聴いていました。


「SF思考」でワークの成果を伝え、聴く

「『掛け算』から新しいことができる」

4つのテーマ終了後、高原先生が受講者たちに声がけをしました。

「ひとつの学校だけではない『掛け算』から新しいことができてきます。みなさんに期待したいのは、気づきがあっただけで止まらず、一歩踏み出すこと。今日の成果をもち帰ってほかの人たちに伝えてほしい。するとまわりの人が気がつくことがある。この流れがあってこそ世の中がかわっていきます」


受講者たちに声がけする高原先生

木村先生からも、受講者にメッセージがありました。

「今日みなさんにどう生きるかを考えてもらいました。明日からの生活で変化が生まれるといいなと思います。みなさんのなかに、気づきから次の行動へと変化が起きることを祈っています」


メッセージを伝える木村先生

日産財団常務理事の原田宏昭から、「みなさんも『未来のリーダー教室』の開発者です。このプログラムは展開編へと続いていきます。みなさんが感じたり、気付いたりしたことをいただきながら、ぜひみなさんとプログラムをつくっていければと思っています」と挨拶がありました。


あいさつする原田

「クロススクール」の意義を感じさせる参加者たちの感想

今回の導入編に参加した人たちに感想を聴きました。その一部を紹介します。

「これまで知り合った先生たちに声がけをして、生徒たちに参加してもらいました。ふだんとちがうテーマを、ふだんとちがう人たちと話し合うことで、自分の安定しているところから半歩出て、新たな視点を得られたのではと思います。クロススクールの効果がよく出ました」(企画をした相模原中等教育学校の高原先生)

「高原先生と別の意見交換会で知り合いとなり『未来のリーダー教室』のご案内をいただき、生徒たちに呼びかけたところ2年生2名が参加したいと手をあげました。ふだんのとはちがうようすが生徒たちに見られました。大人になる前のやわらかい段階でこうした教育は必要だと感じます」(参加した高校の先生)

「参加者たちのようすを見ながら席替えを提案するなど、、その場その場でファシリテーションをどうするか考えながら臨みました。受講者のみなさんはみな前向きな姿勢で、やりやすさがありました」(ファシリテーターをした静岡雙葉中学校・高等学校の木村先生)

「(木村先生の)余裕ある感じのファシリテーションがとてもよかったです。受講者たちに『自由にやっていい』という雰囲気が感じられたのではないでしょうか」(「未来のリーダー教室」トライアルでファシリテーターをつとめた伊藤賀一先生)

 受講者のみなさんからも、「クロススクール」で刺激を受けたようすが感想からうかがえます。

「さまざまな学年の人といろいろな意見を交わし、新たな視点を得られました。もっといろいろな人と関わり、コミュニケーション能力を高めていきたい」(中学2年生)

「ほかの人の意見を聞き、自分にはない考えを知ることができました」(中学3年生)

「自分の考えを伝え、いろいろな人の話を聴くことができました。将来の目標が決まったとき、周囲の人たちにどうやって仲間やフォロワーになってもらうか考えるとき『ぐるぐるシンキング』を使えそうです」(高校1年生)

「他校の人と対話することができ、クロススクールを実行できた。学校という既存の枠を越えて、いままでより社会に近い活動をできたらと思います」(高校2年生)

「ちがう価値観をもつ人たちに出会って話ができたことにおもしろさを感じました。他校の生徒と話す機会は、自分のもたざる発想をいただけるチャンスだと感じました」(高校3年生)


受講者みなさんと先生たち・日産財団スタッフによる集合写真

受講者のみなさん、ご協力いただいた先生たち、ありがとうございました。日産財団は「未来のリーダー教室」を今回の「導入編」と、マスター講師が受講者に直接対話する「展開編」とで展開しています。「未来のリーダー教室」へのご参加・ご協力をぜひよろしくお願いします。