倉敷市立東陽中学校

 本実践では、3Dプリンターで教材を作製し、それらを活用して探究的な学習を進めている。生徒が自ら課題を見つけて学びを進める主体性と、学習を改善しようと工夫する力など、自ら学びを創り出すエージェンシーの育成を目指した。また、理科の内容を日常生活や地域と結び付け、理解を深めることを重視した。
 1年生では、理科と総合的な学習の時間(減災学習)を関連させ、真備地域を題材に「地形と自然災害の関係」について探究した。3Dプリンターで作った地形モデルに水を流すと、低地や窪地などに水が集まりやすいことが分かり、ハザードマップと照らし合わせることで洪水被害が集中した理由を考察した。立体モデルの活用は、地形と災害のつながりを理解する助けとなった。
 3年生の「太陽系と恒星」の単元では、ソーラーフィルターを取り付ける部品を3Dプリンターで作製し、望遠鏡を改良して太陽を観測した。生徒は望遠鏡の向きや焦点を調整して黒点を捉え、天体現象を自分の力で確かめようとする姿勢を身につけた。  
 これらの活動を通して、生徒は自分で確かめ、疑問をもって検証する探究の姿勢に加え、学びをより良くするために工夫する力を身につけつつある。今後は望遠鏡を希望者に貸し出し、家庭での主体的な学びへ広げていく計画である。

学校名 倉敷市立東陽中学校
テーマ

3Dプリンターを活用した科学的探究  -エージェンシーの育成を目指して-

都道府県 岡山県
学校ホームページ https://www.kurashiki-oky.ed.jp/toyo-j/