福島市立北信中学校

 

  福島市立北信中学校では、震災・原発事故から14年を経た今、中学生を対象に震災・復興・風評被害・理科・キャリア教育を統合した教育実践を行っている。SDGsWell-beingの視点を踏まえ、ARCSモデル(注意・関連性・自信・満足感)を理科授業に応用し、生徒の地域理解と将来展望の形成を図った。生徒は風評被害を「食品安全への不安」「差別や偏見」「処理水への誤解」「地域イメージの低下」「デマ情報の拡散」の五つに分類して認識し、復興の妨げとなる課題として捉えている。理想の福島像として「安心」「自然」「笑顔」などを挙げ、職業観は安定志向と自己実現志向が混在し、「人の役に立ちたい」という意識が強い。

  校外学習では震災遺構や地域企業を訪問し、復興の現状や地域の努力を学んだ。さらに、地域農業と連携し、太陽熱養生処理による土壌改良実験を実施。生徒は雑草抑制や微生物環境の変化を観察し、科学的思考力と地域課題への関心を高めた。

  これらの体験は理科やキャリア教育と結び付き、約56%が職業選択に役立ったと回答。今後はESDの充実、外部連携、教員協働を通じ、震災を通して未来を考える契機とする教育の継続が求められる。

学校名 福島市立北信中学校
テーマ

生徒一人一人のWell-beingを目標に理科教育から職業観の創造をめざす

都道府県 福島県
学校ホームページ https://fukushima.fcs.ed.jp/hokushin-jh/