寝屋川市立第七中学校

　本校の理科授業では、授業のまとめとして「人に教えるために書く」科学レポートの手法を導入している。これは、実際に存在しない年下の相手を想定し、その相手にも理解できるように学習内容を説明する活動である。専門用語だけでなく、図や絵、具体例を用いて分かりやすく説明することを重視している。
今回の実践では、この科学レポートを書くことを苦手とする生徒に焦点を当て、その書く際の視線や思考の特徴について分析した。生徒がどの情報（教科書や資料集・インターネットなど）に注目しているのかを明らかにするためにウェアラブルカメラを用い、さらに発話思考法を併用して、生徒が考えながら書く様子を記録した。
その結果、苦手な生徒は情報の取捨選択に時間を要し、教科書の情報量の多さに戸惑う傾向がみられた。また、書く行為そのものを目的化していた。
今後は、①レポート作成の前に構成メモや要点整理の時間を設ける②友達同士で説明し合う活動を通して自分の理解を確認する③どの情報にアクセスすれば理解が深まるかを助言するなどの支援を組み合わせ、より効果的な指導ができるようにしていく。