日産財団

第12回理科教育賞
入賞発表

大賞

賞状・トロフィーと副賞100万円

東京都 成城学園初等学校

研究テーマ:「プロジェクト解決ハイブリッドカー」から新たな価値を創造できる子を育てる。

優秀賞

賞状・トロフィーと副賞50万円

茨城県 牛久市立牛久第二小学校

研究テーマ:理科における問題解決の力を育てる学習指導の在り方

東京都 東京学芸大学付属竹早中学校

研究テーマ:科学技術の開発や科学理論の発見過程から創造的な思考力の育成を目指す理科学習

茨城県 鉾田市立鉾田南中学校

研究テーマ:地域資源を活用したエネルギー・環境教育の実践

ポスター賞

トロフィーと副賞20万円

福島県 小野町立小野小学校

研究テーマ:「人・もの・こと」と豊かに関わり、自己の学びを創り上げていく子どもの育成

第12回理科教育賞 講評

選考委員長 長谷部 伸治

東京都
成城学園初等学校
ハイブリッドカーを題材とした、既存教科である理科との関係性もしっかりと考慮されたSTEAM教育として評価する。時期をずらせて実施するなどの未知の単元指導における配慮や、事前・事後のGoogleフォームでのアンケートによる成果の測定なども評価できる。意欲的な発展途上の実践と推察でき、今後の更なる展開に期待したい。
茨木県
牛久市立牛久第二小学校
多くの単元に対して、教材、教具を工夫して授業を実施している様子が報告書からうかがえる。実践の成果の検証もしっかりされている。国語や総合的な学習の時間と連携して、科学的な表現能力育成を行っている点も評価できる。表現力の更なる育成や1人1実験の問題点の克服など、残された課題解決を目指して研究を継続されることを期待する。
東京都
東京学芸大学付属竹早中学校
科学史とSTEAM教育を複合的に取り扱う、理科学習のあり方に変革を迫る挑戦的な研究である。オリジナル(ボルタ電池)とその進化形の電池の共通点や相違点から電池進化の過程やそこで必要となった科学技術を
考えさせるなど、教育の独創性が感じられる。課題設定、授業づくり、評価に至る流れもきめ細やかで、研究の緻密さが読み取れる。電圧・電流・抵抗などの基本的概念がどう生まれたのかなど、今後更に内容を充実させていっていただきたい。
茨木県
鉾田市立鉾田南中学校
しっかりした事前準備の上、計画的に行われた、地域の特性を活かした独自性のあるエネルギー・環境教育の実践として評価する。課題解決に必要な資質・能力を定義し、その獲得状況を評価するなど、実践結果の評価も定量的、具体的である。今後の課題も精査されており、それらの解決を目指した、継続した実践を期待したい。
福島県
小野町立小野小学校
「極める」というキーワードは斬新であり、それに共感した投票者も多かった。「極める」という発想で授業を構築すれば、必然的に児童中心で、児童一人一人が主体的に取り組む授業にならざるを得ない。このような授業で成功体験を得た児童は、将来にわたり理科好きになるであろう。
今後、より多くの単元について、「極める」、「生み出す」をキーワードに教材を開発し、外部へ発信していっていただきたい。