日産財団

第11回理科教育賞
入賞発表

大賞

賞状・トロフィーと副賞100万円

福岡県 北九州市立湯川小学校

研究テーマ:自ら学び、問い続け、変わる自分を楽しむ子どもを育む学習指導

優秀賞

賞状・トロフィーと副賞50万円

栃木県 足利市立梁田小学校

研究テーマ:”理科の見方・考え方を育むICTの活用
~子ども同士をつなぎ高め合える学習指導を基盤に~”

福島県 いわき市立渡辺小学校

研究テーマ:自然の事物・現象から見出した問題を主体的に解決し、自然のすばらしさや命の尊さを表現できる子どもの育成

神奈川県 横浜市立神奈川小学校

研究テーマ:”豊かなかかわり合いを通して、主体的に学びを深めようとする子どもの育成
~子どもが目を輝かせる授業の実現をめざして~”

ポスター賞

トロフィーと副賞20万円

神奈川県 横浜市立榎が丘小学校

研究テーマ:”○豊かなかかわり合いを通して、主体的に学びを深めようとする子どもの育成
~子どもが目を輝かせる授業の実現をめざして~”

福岡県 飯塚市立上穂波小学校

研究テーマ:”自ら課題をみつけ、主体的に考え、友だちと共に高め合う子どもを育てる理科学習指導
~試行と観察・実験、分析・考察の行き戻りを活性化するICTの効果的な活用を通して~”

第11回理科教育賞 講評

選考委員長 長谷部 伸治

福岡県
北九州市立湯川小学校
学習者自身が自己の変容を自覚していくことに焦点をあてた取り組みが、多くのテーマで実践されたことが報告書から読み取れる。興味や問題を引き出す教材の工夫など、研究のねらいに沿った優れた実践がなされている。全国学力学習状況調査のデータなど客観的に判断できるデータを用いて、研究成果を検証している点も評価できる。
栃木県
足利市立梁田小学校
ICT を使うことで、コロナ禍であっても対話を保証しようとした取り組みである。単元の導入と終末に、「探究的な活動」を位置づけ、毎時間の学習サイクル(つかむ→すすめる→まとめる)が確実に実施されている点を評価する。この実践の成果について、より多くの資料やデータに基づき分析し、実践の結果を検証していっていただきたい。
福島県
いわき市立渡辺小学校
小規模校の特長を生かした、全校一体となっての、また多方面での実践活動を評価する。また、「カブトムシの育成」に見られるような、前年度の児童が次の年の児童に経験を伝えるなど、年を越えて継続されている活動も高く評価できる。主題にある「問題を主体的に解決できる子供の育成」に向け、成果を発展させていっていただきたい。
神奈川県
横浜市立神奈川小学校
枠組みのしっかりした研究である。探究のプロセスを3段階に分け、それぞれの目指すところを明確にして取り組んでいる点を評価する。予め定めた展開だけでなく、問い作りのタイミングをフレキシブルに行っている点なども、高く評価できる。今回の事例を、より多くの単元で実践できるよう展開していっていただきたい。
神奈川県
横浜市立榎が丘小学校
児童1人1人が自ら手を動かし(1人1実験)、また自ら考える(榎小53衛星)ことを主体とした教育を行っていることや、教師が協力して実践している状況が伝わってくるポスターである。児童だけでなく、教師もICTで得られる情報を積極的に活用しようとしている姿も読み取れる。ICT活用など、今後とも継続して研究を進め、成果を他校に発信していただきたい。
福岡県
飯塚市立上穂波小学校
1単位時間の流れを、「問題を見いだす場面」、「観察、実験などを行う場面」、「結論を導き出す場面」に分けて整理する手法が、「経験年数の少ない先生方にも大変参考になる」など、投票者からも評価されている。単元のパッケージ化も評価できる。今後、上記の考え方に基づき、より多くの単元について、経験年数の少ない先生方の参考になるパッケージ化を進め、外部への発信を進めていただきたい。